計画父さんの娘(ゆりっぺ)2019年中学受験備忘録

H学園という塾に2017年2月から通わせ始めた父.娘のあまりの学力の低さに動揺しつつも最高峰を目指すという,やや二番煎じブログ

超音速旅客機コンコルドの失敗と特攻受験

特攻受験あるある

皆さんの周りにはこういうお子さんはおられませんか?

  • 中学受験を目指し,小学1年生から塾通い
  • 当初は上位クラスにいたものの,学年が進むに連れて途中で入ってきた児童に徐々に追い抜かれ,成績は低下し本人のやる気もズルズルと低下
  • 親は子供の成績を知りながらも「こんなに塾に投資したんだから,今更××中学(偏差値40台)なんか受けられない!」
  • 無理目の偏差値帯(持ち偏差値より10も上)に特攻して全落ち発狂
  • 子供は心に傷を抱えたまま公立中学へ

多かれ少なかれ思い当たるエピソードはあると思います.子供は完全な被害者です.ゆりっぺの同級生にも既にこうなってしまいそうなのがいて「かわいそうに…」と思いながら見ています.

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コンコルドの失敗

ここで思い出すのは計画父さんも子供の頃憧れた超音速旅客機(時速2000キロ超!)のコンコルドです.開発計画が出たときには,みんな私と同じようにときめいたはずです.しかし,開発が進むにつれてどうやら膨大な予算と時間を必要とすることがわかってきました.それにもかかわらず「こんなに時間と金を使っちゃったから今さらやめられるか!」という理屈でプロジェクトは進み,コンコルドは一応完成しましたが商業的には完全に失敗し,2003年に最後の運行を終えました(似たようなことは弊社でもあります).これにちなんで,このような誤った判断を「コンコルドの誤謬」と呼びます.高速増殖炉もんじゅとかも似た例かもしれません.そういえば昔通ってた予備校の浪人コースに8浪で医学部志望の「エイトマン」って呼ばれてる奴がいたのを今思い出しました.

「埋没費用効果」とは

コンコルドまで行かないにしても,こういう「いまさら止められない」ことによる失敗は日々経験することです.昨年,小保方晴子東邦大学付属東邦高校卒)の『あの日』(1512円)って本を買ってしまったのですが,読み始めて3分でくそおもんないことに気がついちゃったんですね.ここで意思決定に迫られます.

  • 1時間かけて『あの日』を読み終えて,1512円と1時間を失う(非合理的選択)
  • 3分で読むのをやめて,1512円と3分を失う(合理的選択)

あきらかに後者の方が合理的な選択なのですが,うっかり前者を選んでしまい業火に焼かれ続ける無機物になってしまいました腐れ縁のつまらない男に金も時間も若さも全て費やしてしまったせいで,その男と別れるに別れられなくなってしまった女性も目にしますよね.それは僕の妻です.

このような失敗をしてしまう心理的な傾向のことを「埋没費用効果」(Sunk Cost Effect)と言います.”Sunk”は直訳すれば「沈んでしまった」といった意味なので,埋没費用(サンクコスト)とは「取り返しがつかないコスト」ということです.人間はこの「過去に費やしてしまったコスト」にどうしても目が向いてしまい合理的な判断ができなくなることが多いのです.

過去に目を向けずに最善の手を探す

冒頭の「特攻受験小学生」はまさにサンクコストの効果で親が冷静な判断をできなかった例です.では,この「コンコルドの誤謬」からどうすれば逃れられるのでしょうか.経営工学の世界に「動的計画法」(DP: Dynamic Programming)という数理的な意思決定の方法があります.この考え方がなかなかカッコ良くて僕は大好きなのですが,噛み砕いて言うと「過去の経路はどうあれ,これからのことに最善を尽くそう」というポリシー(「最適性の原理」と言います)で意思決定を行っていく方法なのです.

中学受験も同じことです.過去の投資はどうあれ,今の状態を冷静に見つめてその時々で最善の意思決定を行っていく事が大事なんですね.目標はあくまでも娘が娘自身の人生をちゃんと自分の足で歩んでいけるようになることなんだから.

自戒を込めて.

 

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