小学生に方程式を教えるべきなのか？（1）

方程式を教えるべきか否か

僕が受験した30年前にも，「特殊算を覚える」か「方程式で解く」かという論争はありました．僕が受験した頃はまだ問題を解く過程自体を採点対象にする中学がたくさんありました（今は六甲ぐらいしかないのでは？）．そういうときに，方程式を使っていると「生意気だ」と減点されることがあるとまことしやかに言う人達が居たのです（実際には減点されることはありません）．この手の輩は何歳になっても居るもので，「大学入試の数学の問題で外積を使うのは良くない！( ｰ`дｰ´)ｷﾘｯ」とか「大学入試の物理の問題で微積を使うと減点される( ｰ`дｰ´)ｷﾘｯ」とか意味わからんことを言うわけです（こういうこと言う人らが勉強できた例がない）．こういう手合は戦国時代なら鉄砲で撃たれて死んでたのにね！

このような論争が長年続く背景には「他の子は方程式使わずに頑張ってるのにセコい」みたいな変な平等意識を持つ人の存在が少なからず影響しています．そういう人は「自分がした苦労は他人にも味あわせないと我慢できないタイプ」なのです．「自分は頑張って特殊算でやったのに！ムキー」という醜い感情です．「わたしの頃はずっとオンブしてたのよ〜」とか「今の人は食洗機があって楽ねえ」とか「私が出産した頃は帝王切開なんか無かった（語源知ってんのか？）」みたいなことを言ってくる鬱陶しい姑と一緒です（こういう人は会社にも学校にもいますが見つけたら即座に袋叩きにしましょう）．

まずは冷静に娘に方程式を教えながら「小学生に方程式を教える際にどこでつまずくのか？」「方程式を教えることは何が悪いのか？」という問題について考えていこうと思います．

抽象的な思考はやっぱり必要

ドラマ『下剋上受験』では，阿部サダヲ演じる父親が折り紙で「つるかめ算」を教え，自転車に乗って「旅人算」を説明するというシーンが有りました．また，『下剋上受験』では水戸黄門の由美かおるを彷彿とさせる入浴シーンが話題なのですが，残念ながら入浴剤のために深田恭子の肩から下は全く見えません．深田恭子の入浴シーンでは，風呂の水を抜きながら娘にニュートン算を具体的に教えるシーンを強く希望します！＞TBS様

とはいえ，鶴と亀や旅人を具体的にイメージさせることは良いことなのでしょうか？学年が上がるにつれ，鶴と亀がベクトルx = (x1, x2)となったとき，かおりちゃんは折り紙で逆行列を理解できるのでしょうか？「たかしくん」が「一定の速度で閉曲線上を移動する移動する点P」になったときどうするんでしょうか？たかしくんはフーリエ級数展開されてしまうのでしょうか？個人的にはあまり具体的に教えすぎるのも問題があると考えています．

方程式を教えるべきなのか？（2）に続く… 

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